奸賊
かんぞく
名詞
標準
villain
文例 · 用例
……思え、講釈だと、水戸黄門が竜神の白頭、床几にかかり、奸賊紋太夫を抜打に切って棄てる場所に……伏屋の建具の見えたのは、どうやら寂びた貸席か、出来合の倶楽部などを仮に使った興行らしい。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
余の国人に捨てられしよりは然らず、余の実業論は何の用かある、誰か奸賊の富国策を聴かんや、余の教育上の主義ならびに経験は何かある、誰か子弟を不忠の臣に委ぬるものあらんや、余はこの土に在てこの土のものにあらず、この土に関する余の意見は地中に埋没せられて、余は目もなき口もなき無用人間となりたり。
— 内村鑑三 『基督信徒のなぐさめ』 青空文庫
英雄一|度その志すところに失敗せば、かの行為は、奸賊強盗の行為をもって目せらる。
— 菊池寛 『船医の立場』 青空文庫
「奸賊」「斬れっ」「斬れっ」 若い人々は、お互に、興奮しながら、他人を押し除けて前へ出ようとした。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
断の一字あるのみ」「断の一字あるのみ」英雄|胸膈非無策当見、赫々邦家新「新七、うまいぞっ」「ちぇすとう」勿言大業機未到精神一発|起皇風況又大勢由人事宜将一死先群雄「然り然り、ただ一死を以て、天下に先んずるのだ」「まず、奸賊を倒して、吾が藩国を浄め、次に、王事に任じて、皇運の挽回に従うべし。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
「ダニですぜ、ご老体」「ダニとは何じゃ」「毛のあるところに喰いつく虫で」「さて、血迷ったかこのダニめ、老人の血がうまかろう筈はあるまいに、――取ってくれんか」「どれ――」と、近くの人夫は大野を押しのけて行った、「要領がありましてな、首だけ取るとまたあとが脹れる」「奸賊めが」「そら」と掛声した。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
父を裏切り一門を亡す奸賊であるといふので父と兄が刀の柄に手をかけ青ざめて殺気立つから、私の間違ひでありました、父上、兄上の御決意でありますなら私も違背は致しませぬ、と言つて一時をごまかした。
— 坂口安吾 『二流の人』 青空文庫
その書中の一節に曰く、万々失策に出で候て、私共同志の者ばかり募り候も、三十人、五十人は得べくに付き、これを率いて天下を横行し、奸賊の頭二ツ三ツも獲候上にて、戦死|仕り候も、勤王の先鞭にて、天下の首唱には相成り申すべく、私義|本望これに過ぎず候。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
作例 · 標準
物語の終盤で、主人公はついに宿敵の奸賊を討ち果たした。
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彼は忠臣を装い、裏で国を操っていた奸賊だった。
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「あの奸賊め、決して許しはしないぞ!」と、王は怒りに震えた。
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歴史劇では、見るからに悪人顔の俳優が奸賊役を演じることが多い。
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