巾
きん
名詞頻度ランク #23267 · 青空 527 例
標準
napkin
文例 · 用例
今の時代の子供たちは、もはや昔の子供のやうに、フアンタスチツクで荒唐無稽のお伽話――森の妖精の話や、魔法使の話や、赤頭巾の話や、鉛の兵隊の話や、親指太郎の話や、ピノチヨの話や、惡魔が人間に化けた話や――などを悦ばないといふのである。
— 萩原朔太郎 『童話と教育について』 青空文庫
画はやはり田舎の風景で、ゆるやかな流れの岸に水車小屋があって柳のような木の下に白い頭巾をかぶった女が家鴨に餌でもやっている。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
その朝は早々起きて物置の二階から祭壇を下ろし煤を払い雑巾をかけて壇を組みたてようとすると、さて板がそりかえっていてなかなか思うようにならぬのをようやくたたき込む。
— 寺田寅彦 『祭』 青空文庫
その間に父上は戸棚から三宝をいくつも取下ろして一々|布巾で清めておられる。
— 寺田寅彦 『祭』 青空文庫
残りは巾着へ、チャラ/\と云うも冬の音なり。
— 寺田寅彦 『高知がえり』 青空文庫
私は、ごみっぽい雑巾で顔をさかさに撫でられたような思いがした。
— 太宰治 『音に就いて』 青空文庫
警報くらゐでは立ち上らぬのだが、高射砲が鳴り出すと、仕事をやめて、五歳の女の子に防空頭巾をかぶせ、これを抱きかかへて防空壕にはひる。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
大晦日の夜の十二時過ぎ、障子のあんまりひどく破れているのに気がついて、外套の頭巾をひっかぶり、皿一枚をさげて森川町へ五厘の糊を買いに行ったりした。
— 寺田寅彦 『どんぐり』 青空文庫