楷書
かいしょ
名詞
標準
printed style (of writing Chinese characters)
文例 · 用例
筆記帳には組と名前を楷書で書いてしまったの。
— 宮沢賢治 『イーハトーボ農学校の春』 青空文庫
国定教科書の肉筆めいた楷書の活字。
— 梶井基次郎 『城のある町にて』 青空文庫
箱せこかと思ふ、錦の紙入から、定期だか何だか小さく疊んだ愛知の銀行券を絹ハンケチのやうにひら/\とふつて、金一千圓也、といふ楷書のところを見せて、「心配しないで、めしあがれ。
— 泉鏡太郎 『火の用心の事』 青空文庫
もう一つ比喩を改めて云えば、あなたの文章は楷書でなくって悉く草書です。
— 夏目漱石 『木下杢太郎著『唐草表紙』序』 青空文庫
」 と両手で控帳の端を取って、斜めに見せると、楷書で細字に認めたのが、輝くごとく、もそりと出した源助の顔に赫ッと照って見えたのは、朱で濃く、一面の文字である。
— 泉鏡花 『朱日記』 青空文庫
だから、新感覚派運動もついに志賀直哉の文学の楷書式フォルムの前に屈服し、そしてまた「紋章」の茶会のあの饒慢な描写となったのである。
— 織田作之助 『可能性の文学』 青空文庫
私は杉山という人がドンな人だか、よく知りませんが謹んでお悔みを申上げます」 といったような朗らかなのや、お悔みのつもりであろう、「杉山先生が亡くなられても、君に忠義という事は決して忘れません」 と簡単に楷書して泣かせるのや、「先生は私にとって実の親よりも有難い人でした。
— 夢野久作 『父杉山茂丸を語る』 青空文庫
楷書の字が拙かったので、一通書くのに十枚も反古が出来た。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫