盗心
とうしん
名詞
標準
propensity to steal
文例 · 用例
時として君は黒い覆面をかけ、手中に見えざるピストルを閃めかし、盗心を神聖視し、憔悴しては銀製の乞食となつて彷徨ひ歩るき、消え失せんとしては純金の蜩の声を松の梢に聴いた。
— 愛の詩集のはじめに 『愛の詩集』 青空文庫
が、隠徳の相と盗心の相とは、両立するものと見え、木鼠長吉は、改心しなかった。
— 菊池寛 『奉行と人相学』 青空文庫
小遣銭をなまで持たせないその児の、盗心を疑って、怒ったよりは恐れたのである。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫
これが世間にもざらにある安物の駄雛でござりましたら、ねらってすり替えようという盗心も起こりますまいが、天下に指折り数えられるほどの名品とすれば、ほしくなるのが人情でござりまするからな。
— 因縁の女夫雛 『右門捕物帖』 青空文庫
幼年時代を母と共に長く父の留守を守り、その儘母と共に成長して来てゐる私は、そして常に幼年時代の愚かしく感傷的な追憶家である私は、今頃になつて一寸とでも母を忘れる心などに出遇ふと盗心を起した程に酷く慌てゝ、吹き消さずには居られなかつた。
— 牧野信一 『毒気』 青空文庫
七には物を盗心有るを去る。
— 福沢諭吉 『女大学評論』 青空文庫
人に盗心なければとてさまで誉むべきことにあらず。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
頭領とも云うべき館林様が、それだけの大事業をしておられるのに、潮湯治客の金や持ち物を、こそこそ盗むというような、小さい盗心を蔵している輩を、附けて置くのはよくないからな。
— 国枝史郎 『十二神貝十郎手柄話』 青空文庫
作例 · 標準
彼は一度盗心に火がつくと、なかなか止められない性質だった。
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その泥棒は、再び盗心が芽生え、同じ店を狙った。
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一度盗心を持ってしまうと、心を入れ替えるのは難しい。
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