潺湲
せんかん
形容詞-たる副詞-と
標準
gurgling
文例 · 用例
腕頸に淡いくびれがあり、指の附根の甲に白砂を耳掻きで掬った痕のような四つの小さい窪みのできる乙女の手は、いま水晶を溶したような水の流れを遮る――水は潺湲の音を立て、流勢が勝って手に逆うとき水はまた淙々と響く。
— 岡本かの子 『呼ばれし乙女』 青空文庫
耳の注意を振り向けるあらゆるところに、潺湲の音が自由に聴き出され、その急造の小|渓流の響きは、眼前に展開している自然を、動的なものに律動化し、聴き澄している復一を大地ごと無限の空間に移して、悠久に白雲上へ旅させるように感じさせる。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
鱧を焼く匂いの末に中の島公園の小松林が見渡せる大阪天満川の宿、橋を渡る下駄の音に混って、夜も昼も潺湲の音を絶やさぬ京都四條河原の宿、水も砂も船も一いろの紅硝子のように斜陽のいろに透き通る明るい夕暮に釣人が鯊魚を釣っている広島太田川の宿。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
青砥、はっと顔色を変え、駒をとどめて猫背になり、川底までも射透さんと稲妻の如く眼を光らせて川の面を凝視したが、潺湲たる清流は夕陽を受けて照りかがやき、瞬時も休むことなく動き騒ぎ躍り、とても川底まで見透す事は出来なかった。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
汽車は鉄橋にかかり、潺湲たる清流の、やや浅い銀光の平面をその片側に、何かしら紫の陰影をひそませた、そして河原の砂の光った、木の橋がある、そのつい下手を駛って轟とまた響きを立てた。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
潺湲たる清流があった。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
かくてすすむほどに山路に入りこみて、鬱蒼たる樹、潺湲たる水のほか人にもあわず、しばらく道に坐して人の来るを待ち、一ノ戸まで何ほどあるやと問うに、十五里ばかりと答う。
— 幸田露伴 『突貫紀行』 青空文庫
嬉しやと貫一は、道無き道の木を攀ぢ、崖を伝ひ、或は下りて水を踰え、石を躡み、巌を廻り、心地死ぬべく踉蹌として近き見れば、緑樹蔭愁ひ、潺湲声咽びて、浅瀬に繋れる宮が骸よ!
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
作例 · 標準
都会の喧騒を離れ、清流が潺湲と流れる山あいの宿で静かに過ごした。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
「潺湲たる水の音を聞いていると、心の中の淀みが洗われるような気がします」
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
岩肌を縫うようにして潺湲と落ちる小川のそばには、可憐な高山植物が咲いていた。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview