忘失
ぼうしつ
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
forgetting
文例 · 用例
注意せよ、彼は以前には驚くべく観念明晰な男であつたが、やがてその観念を自己の裡に位置せしめる底のもの、即ち自然――手を差伸べもしないが手を退きもしないもの、――が人間の裡にあつては恩愛的な作用をつとめる、その作用を、雑念或は意識及び其の惰性によつて忘失したのである。
— 中原中也 『詩に関する話』 青空文庫
その忘失こそ忘失者自身には認め難いのであつて、恐るべき近代病の根本性質はそれである。
— 中原中也 『詩に関する話』 青空文庫
その他囃子方、狂言方等略) まだこの他に遺漏忘失が多数ある事と思う。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
乱酔、自己忘失、路傍に倒れてゐる私を深夜の夕立がたゝきつぶした、私は一切を無くした、色即是空だつた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
・酔境 自己忘失 自己脱却 自己超越 相対を止揚したる絶対境十月三日 雨、秋雨らしく降りつゞいた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
前後不覚、自他忘失、……あゝ!
— 種田山頭火 『松山日記』 青空文庫
そのような現象の実在が、科学的に可能であることが、明白、切実に証拠立てられますばかりでなく、そんな人々が、以前の精神意識に立ち帰ります際には、キット或る長さの『自我忘失症』を経過することまでも、学理と、実際の両方から立証されて来るので御座います。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
そうしてタッタ一人で腹を立てたり、悲しんだり、ニコニコしたりするのは、やはり一種の夢中遊行でありまして、その心理が変化して行く刹那刹那の到る処には、こうした『夢中遊行』『自我忘失』『自我覚醒』という経過が、極度の短かさで繰返されている。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
作例 · 標準
彼は幼少期の記憶の一部を忘失してしまい、その空白に苦しんでいた。
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極度のストレスが原因で、一時的に重要な情報を忘失することがあるらしい。
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忘失した過去を取り戻すため、彼は故郷を訪れ、昔を知る人々を訪ね歩いた。
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