孤灯
ことう
名詞
標準
solitary light
文例 · 用例
仏氏のいわゆる生者必滅の道理、今更おどろくは愚痴に似たれど、夜雨孤灯の下、飜って半生|幾多の不幸を数え来れば、おのずから心細くうら寂しく、世に頼なく思わるる折もありき。
— 岡本綺堂 『父の墓』 青空文庫
何が何だか分らなくなった」 以上は主人が当夜|煢々たる孤灯の下で沈思熟慮した時の心的作用をありのままに描き出したものである。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
智定房の乗った船は小さいもので、しかも乗るとともに外から戸を釘で打ち付けさせて日光の見えぬようにし、僅かに一穂の孤灯を挑げ、三十日分の食物を用意しただけであつたと云う。
— 中山太郎 『本朝変態葬礼史』 青空文庫
からくみやこにたどりける、 芝雀は旅をものがたり、「その小屋掛けのうしろには、 寒げなる山によきによきと、立ちし」とばかり口つぐみ、 とみにわらひにまぎらして、渋茶をしげにのみしてふ、 そのことまことうべなれや。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
あんなことうたってるのは。
— 宮沢賢治 『虹の絵具皿』 青空文庫
……待つてゐた敬坊がやつてきてくれた、間もなく樹明君もきてくれた、お土産の般若湯がうまいことうまいこと。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
唯妻木君の顔を穴のあく程見詰めてやっとのことうなずいた。
— 夢野久作 『あやかしの鼓』 青空文庫
浦添のようどれの碑文に、うらおそいよりしよりにてりあがりめしよわちやことうらおそいのようどれは……という文句がある。
— 伊波普猷 『浦添考』 青空文庫
作例 · 標準
嵐の夜、岬の頂上に建つ家で一筋の孤灯が寂しく揺れている。
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村を離れて山小屋で暮らす老人の窓には、今夜も孤灯が灯っていた。
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闇に包まれた書斎で、机の上の孤灯だけが彼の執筆作業を見守っている。
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