文匣
ぶんこう
名詞
標準
document chest
文例 · 用例
それは螺鈿ぢらしの立派な文匣であった。
— 山本周五郎 『峠の手毬唄』 青空文庫
おゆきは見るより早く、茶釜とならんでいる空の甘酒釜の中へ、その文匣を入れて蓋をした。
— 山本周五郎 『峠の手毬唄』 青空文庫
拙者からあつくお礼を申し上げます」「つきましては」 おゆきは容を正して、「この文匣の中には何が入っているのか、お聞かせ願いたいと存じます」「……それを聞いて、どうなさる」 伊兵衛はぴりっと眉をあげた。
— 山本周五郎 『峠の手毬唄』 青空文庫
「お待ちなさい、――帰るのはいいが、もし新庄藩の者が受取りに来たらどうなさるか」「さあ……それは」「この文匣がなくてはいけないでしょう」 伊兵衛はそういって座をすべり、うやうやしく紐をとくと、中に入っていた誓書を取出し、そのあとへ手早く偽筆の誓書を書いて入れた。
— 山本周五郎 『峠の手毬唄』 青空文庫
しかしたぶんこうではないかと思われた。
— 寺田寅彦 『藤棚の陰から』 青空文庫
たぶんこうしなければ一般観客のうけが悪いからであろう。
— 寺田寅彦 『映画雑感(3)』 青空文庫
これらの観客はたぶんこうして泣きたいために忙しい中を繰り合わせ、乏しい小使い銭を都合して入場しているものと思われる。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
君には、僕がここで、たぶんこうだろうということや、また自分の意見と一致していることなどを、言っているのではないことは、わかるだろう。
— 『モルグ街の殺人事件』続編 『マリー・ロジェエの怪事件』 青空文庫
作例 · 標準
実家の蔵の奥深くから布に包まれて見つかった、見事な漆塗りの立派な文匣には、先祖代々伝わる田畑の重要な権利書や古びた家系図が大切に収められていた。
幻辭AI · gemini-3.1-pro-preview
亡くなった母からの大切な手紙や家族の古い写真だけは、万が一火事や地震が起きてもすぐに持ち出せるように、軽くて燃えにくい総桐の文匣に入れて寝室の枕元に保管している。
幻辭AI · gemini-3.1-pro-preview
大河ドラマの小道具として、大名が密書をしたためるシーンのために、現代の職人が数ヶ月かけて復元したという、美しい金色の蒔絵が緻密に施された本物の文匣が使われている。
幻辭AI · gemini-3.1-pro-preview