昧爽
まいそう
名詞
標準
dawn
文例 · 用例
たちばなの昧爽時や古館 五月雨頃の、仄暗く陰湿な黄昏などに、水辺に建てられた古館があり、橘の花が侘しげに咲いてるのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
※13 昧爽=薄明のこと。
— 宮沢賢治 『インドラ[※1]の網』 青空文庫
天人の衣はけむりのようにうすくその瓔珞は昧爽の天盤からかすかな光を受けました。
— 宮沢賢治 『インドラの網』 青空文庫
昧爽より午に至るまでの氣象、人須らく其の氣象を體得して生を遂ぐべしである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
昧爽氣清く、神澄みて、街衢縱横の地平線、皆眼眸の裡にあり。
— 泉鏡花 『鐵槌の音』 青空文庫
然るに家業出精の故を以て、これよりさき特に一個この鍛冶屋を賞し給ひしより、昧爽に於ける市街の現象日を追うて趣を變じ、今日此頃に到りては、鍛冶屋の丁々は謂ふも更なり、水汲上ぐる釣瓶の音、機を織る音、鐘の聲、神樂の響、騷然、雜然、業に聲ありて默するは無く、職に音ありて聞えざるは無きに到れり。
— 泉鏡花 『鐵槌の音』 青空文庫
一日|昧爽、櫛沐ニ方リ、打門ノ声甚ダ急ナルヲ聞キ、楼欄ニ憑ツテ之ヲ観ルニ、客アリ。
— 中島敦 『斗南先生』 青空文庫
さる程にわれ、今朝の昧爽より心地何となく清々しきを覚えつ。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
作例 · 標準
昧爽の静寂を切り裂くように、一番鶏の声が村中に響き渡った。
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昧爽の薄明かりの中、漁師たちは船を出して朝の漁へと向かう。
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昧爽に起きて森を散歩すると、朝露に濡れた草木の香りが清々しい。
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