婦徳
ふとく
名詞
標準
woman's virtues
文例 · 用例
さて、各の引退き、戸を閉た後ち、其役目の刀自が來て、指もて手際よく嫁の素を破り、布に其血を受て、其婦徳に過ち無りしを壻に示す。
— 南方熊楠 『蓮の花開く音を聽く事』 青空文庫
彼は女四書の内訓に出でたりとて屡ば父に聴さるる「五綵服を盛にするも、以つて身の華と為すに足らず、貞順道に率へば、乃ち以つて婦徳を進むべし」の本文に合ひて、かくてこそ始めて色に矜らず、その徳に爽かずとも謂ふべきなれ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
ここにおいてわれわれはいかなる感情を「婦徳の輝き」に対して呼び起されるであろうか?
— 宮本百合子 『今日の文化の諸問題』 青空文庫
婦徳のかぎりを尽したあの母夫人がどうして不幸に沈まなくてはならないのだろう。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
夫人は女大学風に育てられ、媒介によって、家から家に嫁して来て、妻となり、母となってその婦徳と才能のかぎりを尽したのであった。
— 倉田百三 『光り合ういのち』 青空文庫
自分は婦徳を重んじ正義を愛するの念に於て過ぐる年月の間あえて人には劣らなかったつもりだと言って見たところで、それがまた何の弁解にも成らなかった。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
浪子は一向分析していない旧来の「婦徳」というものを損わざらんことをものわかりよい婦人の義務とわきまえ、或る程度まで自立し開化しながらも、決して女としての分を踰えたりしない良家の女主人としての存在を理想として、みずからに方向づけている。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
ところで、立派な教育というやつは周知の如く寄宿女学校で授かるもので、その寄宿女学校ではこれまた周知のとおり、三つの主なる題目が婦徳の基礎となっている。
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫
作例 · 標準
昔の日本では、女性には良妻賢母としての婦徳が求められた。
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彼女は、古き良き日本の婦徳を体現しているかのようだ。
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現代社会においても、婦徳の重要性を再認識する動きがある。
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