朧気
おぼろげ
形容動詞
標準
vague
文例 · 用例
それがもうみんなとうの昔に故人になったしまって、それらの記念すべき諸|国手の面影も今ではもう朧気な追憶の霧の中に消えかかっている。
— 寺田寅彦 『追憶の医師達』 青空文庫
それで私は有り合せの手近な材料から知り得られるだけの事をここに書き並べて、この学者の面影を朧気にでも紹介してみたいと思うのである。
— 寺田寅彦 『アインシュタイン』 青空文庫
」をばさんはいつもこんな風に、一族に関した出来事を大切に、精しく記憶してゐて、それで自分の親族的関係の朧気なのを填め合せようとしてゐるのである。
— DAS FAMILIENFEST 『祭日』 青空文庫
こんな人達はすぐ隣に住んでいるゴシップ等の眼にはあるいはちょうどこの簑虫のように気の知れない、また存在の朧気なものとしか見えなかったかもしれない。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
まして祖父を見た事のない、あるいは朧気にしか覚えていない子供等には、会津戦争や西南戦争時代の昔話は書物で見る古い歴史の断片のようにしか響かないだろう。
— 寺田寅彦 『小さな出来事』 青空文庫
――題も忘れた、いまは朧気であるから何も言うまい。
— 泉鏡花 『小春の狐』 青空文庫
」 幕の内で、「朧気じゃ、冥土の霧で朧気じゃ。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
そうして其過去が過去となりつつも、猶意識の端に幽霊のような朧気な姿となって佇立んでいて、現在と結び付いているのです。
— 夏目漱石 『木下杢太郎著『唐草表紙』序』 青空文庫
作例 · 標準
例句