烏合
うごう
名詞名詞-の形容詞
標準
disorderly gathering
文例 · 用例
向こうところに敵なくして剣の力で信仰と権勢を植え付けて行った半生の歴史はそれほど私の頭に今残っていないが、全盛の頂上から一時に墜落してロシアに逃げ延び、再びわずかな烏合の衆を引き連れてノルウェーへ攻め込むあたりからがなんとなく心にしみている。
— 寺田寅彦 『春寒』 青空文庫
その原因が何であるにせよ、それがグローリア・スコット号の最後であり、船を乗っ取った烏合の衆の最期であった。
— THE "GLORIA SCOTT" 『グローリア・スコット号』 青空文庫
そうして、所謂官軍は、所謂賊軍を、「すべて烏合の衆なるぞ」と歌って気勢をあげる。
— 太宰治 『如是我聞』 青空文庫
当時の(あるいは今でも)支那の軍制は極めて不備であって、各省兵勇はあたかも烏合の無頼漢のようなものだったから、組織的に訓練された学堂出身の警吏は兵勇よりも信頼されて事実上軍務をも帯びていた。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
それを一々かぞえたら随分批難すべき点も多いらしいが、ともかくも江湖流落のボロ書生が烏合未熟の一座を率いて、殆んど東西をわきまえない東京のまん中へ打って出て、苦戦悪闘、わずかに三年、五年のあいだにその地盤をふみ固めたのは、たしかに一個の勇者と言わなければならない。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
それに味方がどうかというに、残念ながら烏合の衆さ。
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫
〈敵ハ幾万アリトテモ スベテ烏合ノ勢ナラズ 烏合ノ勢ニ非ズトモ 味方ニ正シキ道理アリ 邪ハソレ正に勝チ難ク……〉二 万十郎は剣舞で練へあげた「満身の鉄骨と憂国の血涙」と自ら誇る五尺の体躯を(彼は丈が真実五尺であつたが、十七貫もあるといふ固太りの布袋であつた。
— 牧野信一 『サクラの花びら』 青空文庫
「勝沼戦記」は伏見鳥羽の戦いに敗れて落ちめになってからの近藤勇と土方歳三とが、新撰組の残りを中心とする烏合の勢をひきいて甲陽鎮撫隊をつくり、甲州城にのり込もうと進むところを、勝沼で官軍に先手をうたれて包囲された物語である。
— 宮本百合子 『文芸時評』 青空文庫
作例 · 標準
例句