足拵え
あしごしらえ
名詞動詞-サ変
標準
footwear
文例 · 用例
」 背広の服で、足拵えして、帽を真深に、風呂敷包を小さく西行背負というのにしている。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
」 と両つ提の――もうこの頃では、山の爺が喫む煙草がバットで差支えないのだけれど、事実を報道する――根附の処を、独鈷のように振りながら、煙管を手弄りつつ、ぶらりと降りたが、股引の足拵えだし、腰達者に、ずかずか……と、もう寄った。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
四郎兵衛とお杉は草履、義助は草鞋、皆それぞれに足拵えをして宿の者に教えられた通りに、鎌倉から金沢へ出て、それから四里あまりの路をたどって程ヶ谷へ着くという予定である。
— 岡本綺堂 『恨みの蠑螺』 青空文庫
『ええ、十七日の十一時ごろから明け方へかけて土砂ぶり、ナポレオンの兵隊は足拵えがよくなかった――おまけに大きな溝がありましてね。
— 虹を渡る日 『踊る地平線』 青空文庫
フェルトの長靴をはいた足拵えをしなおした。
— 宮本百合子 『古き小画』 青空文庫
ちょいちょい坂もありますから後押も必要なのでしょうし、また毎日土にまみれて働く人々には、町中へ出るというのが楽しみでもあるらしく、女たちは皆小ざっぱりした支度で、足拵えも厳重に、新しい手拭を被り、赤い襷をかけて、ほの暗い道を、車を押して来るのでした。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
殿下のお召料にと山梨県庁では、特に一頭の逞しい栗毛の駒を用意していたので、其の好意を無にし給わじとのお心遣から、草鞋をお穿きになったお足拵えにも拘らせられず、それに召されて、午前六時四十分に古那屋を御出発になった。
— 木暮理太郎 『朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅』 青空文庫
此時は足拵えがよかった為めに凍傷にも罹らずに済んだが、一月の中旬、金峰山麓の増富鉱泉から、木賊峠を踰えて黒平へ出た時の旅では、何等の用意もしないで、三日の間二尺に余る積雪中を辿り歩いた報いは覿面で、今だに痕が寒さに痛む程の凍傷を受けた。
— 木暮理太郎 『冬の山』 青空文庫