戸主
こしゅ
名詞
標準
head of a household
文例 · 用例
私の下手な挨拶、それでも父のゐない家では、私が戸主なのだから、それに偶にしか帰つて来ない田舎のことだし、私自身は不評判な息子なのだからと思ふと、せいぜい世俗的な丁寧さをもつてくる私の挨拶を見て、弟はあてが外れたといふ顔をしてゐたし、私自身も一寸恥しくなつた。
— 中原中也 『亡弟』 青空文庫
戸主のことではあり、ともかく、骨は菩提寺の墓に埋めて欲しいという伯母の希望から運んで来たのであったが、鼈四郎は東京のその伯母の下町の家に落付き、埋葬も終えて、序にこの巨都も見物して京都に帰ろうとする一ヶ月あまりの間に、鼈四郎はもう伯母の擒となっていた。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
兄さんは、でも、今は戸主だし、姉さんに命令する権利はあるわけだ。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
戸主の見識というものかも知れない。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
志望者は六月十五日までに、自筆の履歴書、戸籍抄本、写真は手札型近影一葉(上半身正面向)ならびに戸主または保護者の許可証、相添えて事務所まで御送附の事。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
甲府の妻の里では、父も母も亡くなり、姉たちは嫁ぎ、一ばん下の子は男で、それが戸主になっているのだが、その二、三年前に大学を出てすぐ海軍へ行き、いま甲府の家に残っている者は、その男の子のすぐ上の姉で、私の妻のすぐの妹という具合いになっている二十六だか七だかの娘がひとり住んでいるきりであった。
— 太宰治 『薄明』 青空文庫
」「でも、主人だから、主人のやうに、ね――」「それは違つてゐます――わたしはこの家の戸主には成つたが、下宿屋はこの表面上の妻たる千代の仕事です。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
」「どんなに戸主が頑固だツて、本人同志が好き合つてゐたらいいぢやアないか?
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
作例 · 標準
戦前の日本の法律では、戸主が家族に対して強力な権限を持つ制度が敷かれていた。
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戸籍謄本を取り寄せると、曾祖父がその家の戸主として登録されていたことが分かった。
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「一家の戸主としての責任を果たそうと、父は必死で働いて私たちを育ててくれた」
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