憐憫
れんびん
名詞
標準
pity
文例 · 用例
なぜなら私は、さうした芥川君の態度について、先輩が後輩に示す所の、教訓や憐憫を感ずるからだ。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
故にその同情は憐憫であり、侮辱であるにすぎないだらう。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
實に私は、その寛容に對して小癪に感じ、時に彼によつて憐憫される怒りを感じた。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
母はその時の耕二に憐憫の情を持たないでゐられなくて、「まあもう少しいらつしやい」とさう言つた。
— 中原中也 『耕二のこと』 青空文庫
自分の為め、自分を恋ひ慕ふの情にさいなまれたその結果、斯うやつれ果てたといふ憐憫の意識は、直ぐその後に頭に登つては来ましたが、いぢわるく一瞥の時の悪感につきまとはれてどうすることも出来ませんでした。
— 岡本かの子 『恋愛といふもの』 青空文庫
英国女にたいしては憎悪を感じ、ロシア女にたいしては憐憫に似た不快を、日本女は植民地生れの西洋女と間違えてしまい、朝鮮女にはインテレクチュアルな新しい美を、ニグロの女には鋼鉄のビリダリアの官能を、そしてもしそこにノラがいれば彼等は彼女にエロチシズムの教訓をうける。
— 吉行エイスケ 『新種族ノラ』 青空文庫
僕は今も壯者に伍していさぎよく戰ふ關根名人の磊落性を寧ろ愛敬し、一方自|負しつつ出でざる坂田三吉八|段に或る憐憫さへ感じてゐる者だが、將棋だけは若い者には勝てないものらしい。
— ―將棋いろいろ― 『下手の横好き』 青空文庫
堂堂と遠慮なく爭ひ勝つべく、弱き者|敗るる者がドシドシ蹴落されて行く事に感傷的な憐憫など注ぐべきでもあるまい。
— ―將棋いろいろ― 『下手の横好き』 青空文庫
作例 · 標準
その老いた犬の潤んだ瞳には、飼い主に対する深い憐憫の情が宿っているように見えた。
幻辭AI · gemini-2.5-pro
彼は、貧しさにあえぐ人々に憐憫の念を抱き、私財を投じて援助活動を始めた。
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「同情なんかじゃない。これは憐憫だ」と、彼は冷たく言い放った。
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