旧官
きゅうかん
名詞
標準
former government official
文例 · 用例
が、ひょっとすると、この老紳士は自分の気持を他人の上に移して、心やりにする旧官僚風の人物にままある気質の人で、内心では案外、寸刻の間も、自分の息子の上にいたわりの眼を離さないのかも知れない。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
それで上野下野武蔵相模たちまちにして旧官は逐落され、新軍は勢を得たのかと想像される。
— 幸田露伴 『平将門』 青空文庫
一、旧藩地に私立の学校を設るは余輩の多年|企望するところにして、すでに中津にも旧知事の分禄と旧官員の周旋とによりて一校を立て、その仕組、もとより貧小なれども、今日までの成跡を以て見れば未だ失望の箇条もなく、先ず費したる財と労とに報る丈けの功をば奏したるものというべし。
— 福沢諭吉 『旧藩情』 青空文庫
明治四年廃藩のころ、中津の旧官員と東京の慶応義塾と商議の上、旧知事の家禄を分ち旧藩の積金と合して洋学の資本となして、中津の旧城下に学校を立ててこれを市学校と名けたり。
— 福沢諭吉 『旧藩情』 青空文庫
これはあるひは、農村から単身上京してみごと重役の椅子を占めたばかりか、歌道や書道にも立派な素養を身につけおほせた高瀬の父が、文化の摂取をとりちがへて、旧官吏階級の遺物である封建の遺習にひたすら学ばうとしたせゐかも知れない。
— 神西清 『母たち』 青空文庫
普通新官僚と呼ばれているものは、主として内務省畑の官吏群の一部(夫に司法省・外務省のも加えて)であり、従って文官にぞくするもののことであるが、併し片手落ちなく云えば、武官であってもその急進的な分子は、丁度文官新官僚が旧官僚に対して占めると同様な内部的地位を他の武官群に対して持っている。
— 戸坂潤 『世界の一環としての日本』 青空文庫
――ご自身、戦う必要のないまでに、時代の推移に、袁紹の旧官僚陣が自壊作用を起してくるのを待ち、最後の一押しという時に、兵をうごかせば、万全でしょう」「ちと、気が長いな」「何の、一瞬です。
— 草莽の巻 『三国志』 青空文庫
男といえば、老蔵人すら遠い所の下屋へへだてられ、四門はかたくとざされ、近侍の公卿もみな、旧官舎のような建物のうちへ押しこめられた。
— 湊川帖 『私本太平記』 青空文庫
作例 · 標準
彼は旧官としてのプライドを捨て、引退後は地元で悠々自適に暮らしている。
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「あの家のご主人は旧官だそうで、立ち居振る舞いに品がありますね。」
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歴史小説の主人公は、旧官の地位を追われ、浪人として江戸に流れてきた男だった。
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