安息
あんそく
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
rest
文例 · 用例
私が山王山を知つてから、いづれも生活の敗残者であらう、この森の中で、首縊りが二人ばかりあつた、人目を避けるに、都合がいゝとは言ひながら、不思議なことに、死ぬ人は原始的に安息な自然を選ぶ、川や海に身を投げる人と森の中で縊る人と。
— 小島烏水 『亡びゆく森』 青空文庫
皺だらけの私の寝室をノックする音がして、暗闇から出た女の手が、楕円形の天井をみつめていた私の目前で葡萄蔓のようにからんで、青いリノリウムのうえにMELINSの扱帯が夜光虫のように円をつくると、私は断截された濡れた頭髪を腕の中に感じて、いつのまにか恋愛のマッフのなかに、ひとときの安息を求めた。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
しかし汽車に乗って丸亀や坂出の方へ行き一日歩きくたぶれて夕方汽船で小豆島へ帰ってくると、やっぱり安息はここにあるという気がしてくる。
— 黒島傳治 『四季とその折々』 青空文庫
あちら此方と安値そうな間を借りては其処から局に通って、午前出の時は午後を針仕事に、午後出の時は午前を針仕事に、少しも安息む暇がないうちにも弟を小学校に出し妹に自分で裁縫の稽古をしてやり、夜は弟の復習も験てやらねばならず、炊事から洗濯から皆な自分一人の手でやっていた。
— 国木田独歩 『二少女』 青空文庫
驚いて川に飛び込む鰐は、その飛び込む前に安息している川岸の石原と茂みによって一段の腥気を添える。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
もう少し心とからだの安息を与えて、思いのままに彼の欲する仕事に没頭させた方が、かえって本当にこの稀有な偉人を尊重する所以でもあり、同時に世界人類の真の利益を図る所以にもなりはしまいか。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
それによって、君はやっと生活を凌いで夢の裡に安息することだけは出来た。
— 黒島伝治 『反戦文学論』 青空文庫
しかしちょっと気を変えて呑気でいてやれと思うと同時に、その暗闇は電燈の下では味わうことのできない爽やかな安息に変化してしまう。
— 梶井基次郎 『闇の絵巻』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日安息について考えている。
安息という言葉は日本語で重要だ。
彼は安息の意味を理解している。
この文には安息が含まれている。