匍匐
ほふく
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
creeping
文例 · 用例
ここの落葉松は、小御岳では風雪と引っ組んで、屈曲|匍匐しているに似ず、亭々として高く、すらりと延び上っている自然のままの、気高さに打たれる。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
後に置いた腰掛台の上に、一人は匍匐になって、肱を張って長々と伸び、一人は横ざまに手枕して股引穿いた脚を屈めて、天窓をくッつけ合って大工が寝そべって居る。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
鼬が覘くやうな、鼠が匍匐つたやうな、切つて填めた菱の實が、ト、べつかつこをして、ぺろりと黒い舌を吐くやうな、いや、念の入つた、雜多な隙間、破れ穴が、寒さにきり/\と齒を噛んで、呼吸を詰めて、うむと堪へて凍着くが、古家の煤にむせると、時々遣切れなく成つて、潛めた嚔、ハツと噴出しさうで不氣味な眞夜中。
— 泉鏡太郎 『霰ふる』 青空文庫
滝太郎がその挙動を、鋭い目で角の屑屋の物置みたような二階の格子窓に、世を憚る監視中の顔をあてて、匍匐になって見ていた、窃盗、万引、詐偽もその時|二十までに数を知らず、ちょうど先月までくらい込んでいた、巣鴨が十たび目だという凄い女、渾名を白魚のお兼といって、日向では消えそうな華奢姿。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
後に置いた腰掛臺の上に、一人は匍匐になつて、肱を張つて長々と伸び、一人は横ざまに手枕して股引穿いた脚を屈めて、天窓をくツつけ合つて大工が寢そべつて居る。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
入違いに二人の男、どかどかと上込み、いきなり一人が匍匐になれば、一人は顎を膝に載せて脛を抱え、「ねえ、おい素敵に草臥れたな。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
夫人も大きに喜びたまい、睦じやかなる談話の花を、心無くも吹散らす、疾風一陣障子を開けて、お丹例のごとく帯もしめず、今起き出でたる風情にて、乱れ姿に広袖を引懸け、不作法に入来りて、御両方の身近に寄り、突然匍匐になりて頬杖つき、貞子の顔を上眼にじろじろ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
愛する兄弟よ、まことに師走におよび、爾は裸體にして氷上に匍匐し、手に金無垢の魚を抱きて慟哭するところの列傳孝子體である。
— 萩原朔太郎 『散文詩・詩的散文』 青空文庫
作例 · 標準
訓練兵たちは、敵陣を突破するために匍匐前進の練習をした。
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赤ん坊が、ハイハイ(匍匐)を覚えて、部屋中を動き回るようになった。
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ヘビは、体をくねらせて地面を匍匐して移動する。
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ウィキペディア
匍匐(ほふく)は、伏せた状態で移動することをいう。
出典: 匍匐 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0