物の怪
もののけ
名詞
標準
evil spirit
文例 · 用例
と、光のない真黄色な灯がきゅうに大きくなって、ホヤの内部を真黒にくすべながら、物の怪のように燃え立った。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
死んだ力三の枕許に坐つてきよろつとお末を睨み据ゑた眼付は、夢の中の物の怪のやうに、総てがぼんやりした中に、はつきりお末の頭の中に焼き附けられた。
— 有島武郎 『お末の死』 青空文庫
いや、実はね、あの見せ物の怪魚をね(見せ物の看板では、天然自然の大怪魚という事になっていた)あいつをね、ぜひとも買いたいという人があるんです。
— 太宰治 『黄村先生言行録』 青空文庫
形もない、影もない奇怪な物の怪の話を聞かされて、小供心に疑いもすれば、恐れもしたものだ。
— 田中貢太郎 『八人みさきの話』 青空文庫
彼は物の怪を払わすために、他の寺からも数人の僧侶を招んで来て祈祷をさした。
— 田中貢太郎 『八人みさきの話』 青空文庫
とくと、おきき遊ばしませ」 物の怪に憑かれでもしたかのごとくふるえ声で叫んだ千之介の制止を、同じ物の怪に憑かれでもしたように林田が跳ね返し乍らつづけていった。
— 佐々木味津三 『十万石の怪談』 青空文庫
顔を、顔をかしておくんなせえまし……」 まっさおになって伝六が、名人のそでをひっぱりながら、ぐんぐん表へつれ出していくと、物の怪を払いおとしでもするように、ぶるぶると身をふるわせました。
— やまがら美人影絵 『右門捕物帖』 青空文庫
何か物の怪でも來はしないかと思はれるやうな氣勢があたりにした。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
作例 · 標準
昔話に出てくるものの怪は、人を惑わす存在として描かれる。
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物の怪の仕業かと、人々は恐れおののいた。
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深い森の奥には、ものの怪が棲むという言い伝えがある。
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