頼み少ない
たのみすくない
形容詞
標準
helpless
文例 · 用例
そういう記憶の断片がはたしてほんとうにあったことなのか、それとも、いつかずっと後年になってから見た一夜の夢の映像の記憶を過去に投影したものだか、記憶の現実性がきわめて頼み少ないものになって来るのである。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
小芳の心中、ともかくも、お蔦の頼み少ない風情は、お妙にも見て取られて、睫毛を幽に振わしつつ、「お医者には懸っているの。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
自分は考えるともなしこんなことを考えながら、心のすきすきに嫂の頼み少ない感じが動いてならなかった、博士は駿河台の某病院長である。
— 伊藤左千夫 『去年』 青空文庫
教養の足りた優秀な高官と見られている人が、こんなふうに頼み少ない容体になっていることを世間は惜しんで、見舞いを申し入れに来ぬ人もない。
— 若菜(下) 『源氏物語』 青空文庫
右衛門督は六条院の宮の御出産から出家と続いての出来事を病床に聞いて、いっそう頼み少ない容体になってしまった。
— 柏木 『源氏物語』 青空文庫
成瀬屋に着いた時は、平次が恐れたやうに、お町はもう頼み少ない姿で、醫者もすつかり匙を投げ、時の經つのばかり待つて居りました。
— 槍の折れ 『錢形平次捕物控』 青空文庫
誰がこんなことを――」 伜孫三郎の腕の中に、辛くも擧げた孫六の顏は、月の光の中ながら藍を刷いたやう、自分の脇差に胸を貫かれて、最早頼み少ない姿です。
— 月の隈 『錢形平次捕物控』 青空文庫
あの百二十兩を奪られてしまつては、私はもう明日から暮しやうがありません」 女隱居は命に別條のないことをはつきり意識すると、次第に盜まれた百二十兩が惜しくなつたものらしく、頼み少ない姿で、悲歎にくれるのでした。
— 八五郎の戀 『錢形平次捕物控』 青空文庫
作例 · 標準
身寄りもなく、頼み少ない境遇で育った彼は、若くして自立することを学んだ。
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援軍の望みも絶たれ、頼み少ない状況の中で将軍は最期の決断を迫られた。
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資金も人脈もなく、頼み少ないスタートだったが、彼は努力で会社を大きくした。
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