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鬱屈

うっくつ
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
1
標準
gloomy
文例 · 用例
即ち自家の文体を実現し了せなかつたこの作家は、一生涯習作をしてゐたといへるし、絶えざる模索の状態は彼を鬱屈させてゐたのであつた。
中原中也 思ひ出す牧野信一 青空文庫
「餘瀝 近事片々」(「正直ノオト」「春晝」「市井喧爭」「酒ぎらひ」「困惑の辯」「知らない人」「心の王者」「鬱屈禍」) 以上の五篇の創作にて、私のこれまで歩いて來た經過の、だいたいは、推察していただける事と思ふ。
太宰治 『思ひ出』序 青空文庫
そして私が自分の鬱屈した部屋から逃げ出してわれとわが身を責め虐んでいた間に、彼らはほんとうに寒気と飢えで死んでしまったのである。
梶井基次郎 冬の蠅 青空文庫
若し夫れ天高く澄みて秋晴拭ふが如き日であつたならば余が鬱屈も大にくつろぎを得たらうけれど、雲は益々低く垂れ林は霧に包まれ何処を見ても、光一閃だもないので余は殆ど堪ゆべからざる憂愁に沈んだのである。
國木田独歩 空知川の岸辺 青空文庫
よく誰でも「どうも考えがこんがらがってしようがない」とか、「気持ちが流れないで鬱屈する」とか言います。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫
それは、余り世間の荒い波風に当らなかったか弱い、あるいは生一本な処女が、家庭を持ってその主婦となり、周囲の煩瑣な事件や境遇にひどくいたぶられた時、それに呼応して起った心内の愛欲苦悶が素直にはけ口を得ずして鬱屈し、これに加えて肉体的の過労や病気がますますヒステリーを引き起す助縁となります。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫
例えば、或は詩は霊魂の窓であると言い、天啓の声であると言い、或は自然の黙契であると言い、記憶への郷愁だと言い、生命の躍動だと言い、鬱屈からの解放だと言い、一々個人によって意見を異にし、一も普遍妥当するところがない。
萩原朔太郎 詩の原理 青空文庫
そして実に多くの詩人は、彼自身の存在に鬱屈しており、自己に対して憎悪と嫌忌とを感じているのだ。
萩原朔太郎 詩の原理 青空文庫
作例 · 標準
例句