改悛
かいしゅん
名詞動詞-サ変動詞-他動詞動詞-自動詞
標準
repentance
文例 · 用例
文彦は悪人ながらも男爵の死を悼んで杉田とともに月界に手厚く葬り、その上に紀念碑を建てて其後一週間ばかりその地に止って、博士のやや元気を回復するを待ち、博士、東助、及び主人の死後改悛の意を表して服従した平三と各々二人ずつ二個の飛行船に分乗して地球に向って出発したのである。
— 押川春浪 『月世界競争探検』 青空文庫
かつは罰し、かつは賞し、雲の無軌道、このようなポオズだけの化け物、盗みも、この大人物の悪に較べて、さしつかえなし、殺人でさえ許されるいまの世、けれども、もっとも悪い、とうてい改悛の見込みなき白昼の大盗、十万百万証拠の紙幣を、つい鼻のさきに突きつけられてさえ、ほう、たくさんあるのう、奉納金かね?
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
私と今話してゐる警察官がナポレオンを召捕りに來たのは、此の少年に改悛の情無しと見たパラオ支廳の警務課が、彼の流刑の期間を延長し、その上流竄地をS島よりも更に南方遙か隔たつたT島に變更することに決めたためである。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
私と今話している警察官がナポレオンを召捕りに来たのは、この少年に改悛の情無しと見たパラオ支庁の警務課が、彼の流刑の期間を延長し、その上|流竄地をS島よりも更に南方遥か隔たったT島に変更することに決めたためである。
— ――ミクロネシヤ巡島記抄―― 『環礁』 青空文庫
クララは改悛者のように啜泣きながら、棚らしいものの上に組み合せた腕の間に顔を埋めた。
— 有島武郎 『クララの出家』 青空文庫
事の仔細はもれなく本紙の探知したる所なれども、改悛の余地を与えんため、しばらく発表を見合わせおくべし。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
もし五十川のおばさんがほんとうに自分の改悛を望んでいてくれるなら、その記事の中止なり訂正なりを、夫田川の手を経てさせる事はできるはずなのだ。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
しかし当時の優善の態度には、まだ真に改悛したものとは看做しにくい所があった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫