回想記
かいそうき
名詞
標準
memoir
文例 · 用例
そうして、或る眠られぬ一夜、自分の十五年間の都会生活に就いて考え、この際もういちど、私の回想記を書いてみようかと思い立った。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
あの男の書いた回想記は一の大著述であって、あの大部な書物の内容は、徹頭徹尾性欲で、恋愛などにまぎらわしい処はない。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
ツルゲーネフは、そのことに関し回想記の中でこう書いているそうである。
— 宮本百合子 『ツルゲーネフの生きかた』 青空文庫
九月二十五日頃から毎日新聞にもとのアメリカ駐日大使グルーの回想記がのりました。
— ――新日本文学会第四回大会最終日に―― 『討論に即しての感想』 青空文庫
自分はこの新春から故グレエ子爵の『二十五年回想記』と『フアロドン雑講』を読んでゐるが、この大戦中の英名外相がその政治的活躍の背景として様々な楽しみ乃至趣味を有つてゐたのに驚く。
— 平田禿木 『趣味としての読書』 青空文庫
して、子爵自身に就いて云へば、この詩の方面に於ては、キーツ、テニソン、ブラウニングに精通し、特にウワアヅウワアスに至つては、早くからこれを愛誦し、その一言一句をも諳んじて、折に触れ事に接してこれを想ひ起し、回想記にも雑講にも随処にこれを引用してゐる。
— 平田禿木 『趣味としての読書』 青空文庫
とうとう、煙草の脂臭い鼻息に閉口しながらも、親切な爺さんの怪し気な日本回想記をきかされ、途中でアイスクリイムまで奢って貰い、合宿まで送り届けられたのでした。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫
回想記の性質上、多少自身の経歴に集注して考へ過ぎる傾向もあらうが、大体は頷かれる。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫