門口
かどぐち
名詞
標準
door
文例 · 用例
お峯は車より下りてさん、あれ三ちやんで有つたか、さても好い處でと伴なはれて行くに、酒やと芋やの奧深く、溝板がた/\と薄くらき裏に入れば、三|之助は先へ驅けて、父さん、母さん、姉さんを連れて歸つたと門口より呼び立てぬ。
— 一葉女史 『大つごもり』 青空文庫
」 こんな事を言ひ合つて、門口を這入つて行く。
— DAS FAMILIENFEST 『祭日』 青空文庫
いつになく元|たM会社員の青木さんは、山の手のある靜かな裏通りにある我家の門口をはひると、今まで胸に包んでゐたうれしさを一|時に吐き出すやうにはしやいだ声で奧さんの名を呼んだ。
— 南部修太郎 『夢』 青空文庫
四 それから又半|※も経ったと思う頃に、濡れた草鞋の音がこの前を通って、隣りの家の門口に止まった。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
わたくしも丁度そのときに買物に行って、帰りに路地の角で逢ったもんですから、七之助さんと一緒に路地へはいって来て、すぐに別れればよかったんですが、きょうは盤台が空になっているからおふくろさんがどうするかと思って、門口に立ってそっと覗いていると、七之助さんは土間にはいって盤台を卸しました。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
二人はうす紅い顔をして茶屋を出ると、門口で小粋なふうをした二十三四の女に出逢った。
— 帯取りの池 『半七捕物帳』 青空文庫
)門口で若い水々しい声が云った。
— 宮沢賢治 『十六日』 青空文庫
あまり汚い家なので、門口で女達はためらって居ましたが、私は思わず大声になり、「店は汚くても、酒はいいのだ。
— 太宰治 『老ハイデルベルヒ』 青空文庫
作例 · 標準
毎朝、近所の老婦人が門口を丁寧に掃き清めている姿を見かけるのが、この街の穏やかな日常の一コマだ。
正月には門口に立派な門松を立てて、新しい年神様を迎えるための清々しい準備を整えるのが習わしだ。
夕暮れ時、打ち水がされたばかりの門口を通り抜けると、微かな土の香りと共に涼やかな風が吹き抜けた。
突然の来客に驚き、慌てて門口まで迎えに出ると、そこには数年ぶりに再会する恩師の姿があった。