没我
ぼつが
名詞
標準
selflessness
文例 · 用例
彼等の眼は一様に人にものを味わせる職業者の持つ没我の色に枯れている。
— 岡本かの子 『食魔に贈る』 青空文庫
明日の生活の計画よりは、きょうの没我のパッションが大事です。
— 太宰治 『或る忠告』 青空文庫
東京の西北方から勢を起しながら、山の手の高台に阻まれ、北上し東行し、まるで反対の方へ押し遣られるような迂曲の道を辿りながら、しかもその間に頼りない細流を引取り育み、強力な流れはそれを馴致し、より強力で偉大な川には潔く没我合鞣して、南の海に入る初志を遂げる。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
それは、輝く太陽よりも、咲誇る向日葵よりも、鳴盛る蝉よりも、もっと打込んだ・裸身の・壮んな・没我的な・灼熱した美しさだ。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
真の詩は執し尽して終に詩を忘れ果てた刹那に初めて縹緲たる声を放ち、真の愛は執し尽して真に我を忘れ果てた、その没我の境地に到つて初めて光り耀くものだ。
— 北原白秋 『「白秋詩集」序』 青空文庫
この没我の微妙境の中に真に恍惚として掌を合はせるものは幸である。
— 北原白秋 『「白秋詩集」序』 青空文庫
俺の生活のどこに、ああした本能的な没我的な瞬間があるか。
— 中島敦 『悟浄出世』 青空文庫
若し愛が片務的に動いた場合に、愛するということを恩恵を施すという如く考えている人には、愛するという行為に一種の自己満足を感ずるが故に、愛する人の受ける心の豊かさは二倍になると主張するなら、それは愛の作用を没我的でなければならぬと強言する愛他主義者としてはあるまじきことだといわねばならぬ。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
作例 · 標準
彼女は、他者のために尽くす没我の精神を持っていた。
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彼は研究に没我し、時間の感覚を忘れて没頭していた。
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真の芸術家は、作品創造において没我の境地に達すると言われている。
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