亡魂
ぼうこん
名詞
標準
departed soul
文例 · 用例
精霊棚を設けて亡魂を迎える人はやはり今でもあるのである。
— 寺田寅彦 『試験管』 青空文庫
かれは『過去』の亡魂である、それでもいい足りない。
— 国木田独歩 『まぼろし』 青空文庫
が、嘘か眞か、本所の、あの被服廠では、つむじ風の火の裡に、荷車を曳いた馬が、車ながら炎となつて、空をきり/\と※つたと聞けば、あゝ、その馬の幽靈が、車の亡魂とともに、フト迷つて顯はれたかと、見るにもの凄いまで、この騷ぎに持ち出した、軒々の提灯の影に映つたのであつた。
— 泉鏡太郎 『十六夜』 青空文庫
四谷左門町に住んでいた田宮伊右衛門という侍がその妻のお岩を虐待して死に至らしめ、その亡魂が祟りをなして田宮の家は遂にほろびたというのが、先ず普通一般に信じられている伝説である。
— 岡本綺堂 『四谷怪談異説』 青空文庫
暦の亡魂薄暮のさびしい部屋の中でわたしのあうむ時計はこはれてしまつた。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
さうして芥燒場の泥土にぬりこめられたこのひとのやうなものは忘れた暦の亡魂だらうよ。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
此処に説く「象徴」という観念も、この怨めしき亡魂の一つであって、かつてずっと早くから我が国に輸入され、一時詩壇で流行したるにかかわらず、早く既に廃ってしまい、しかも今日|尚、言語は不可解のままに残されている。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
そのあくる日の夕方、私は運動にとりかかる前に、先づきのふの墓標へお參りしたら、朝の驟雨で亡魂の文字はその近親の誰をも泣かせぬうちに跡かたもなく洗ひさらはれて、蓮華の白い葉もところどころ破れてゐた。
— 太宰治 『思ひ出』 青空文庫
作例 · 標準
戦場で散った兵士たちの亡魂が、今もこの地をさまよっているという噂だ。
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古い寺院には、多くの人々の亡魂が祀られている。
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亡魂の声が聞こえるような、不気味な夜だった。
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