下情
かじょう
名詞
標準
condition of the common people
文例 · 用例
奥さんは何も知らず、銑太郎なお欺くべしじゃが、あの、お松というのが、また悪く下情に通じておって、ごうなや川蝦で、鰺やおぼこの釣れないことは心得ておるから。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
警部さんならちと下情には通じて置くものですぜ、風教視察という奴でね。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
秀吉はかの浅井長政との合戦以来、江州には長く住んで居て、地理にも下情にも通じて居るので、忽ちにして要害堅固な砦が出来た。
— 菊池寛 『賤ヶ岳合戦』 青空文庫
三枝は下情に通じているのが自慢の男で、これから吉原の面白い処を見せてくれようと云い出す。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
これはな、当国三河で下々の者共が申す戯れ語でな、つまりはお茶の濃い薄いじゃ、飴のごとくにどろどろと致した濃い奴を所望致す砌りに、ねじ切って腰にさすがごとき奴と、このように申すのでな、下情に通しておくは即ち政道第一の心掛けと、身が館でも戯れに申しておるのじゃ。
— 三河に現れた退屈男 『旗本退屈男 第五話』 青空文庫
高沖君のことは本当かどうか知らないが、この「下情に通じないシェクスピヤ」を訓練してやろうとした主謀者が私であるというのは、全くの訛伝なのである。
— 戸坂潤 『『唯研ニュース』』 青空文庫
斉護は子をして下情に通ぜしめんことを欲し、特に微行を命じたので、寛五郎と従者とは始終質素を旨としていた。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
抑如此事変は、下情の壅塞せるより起る。
— 森鴎外 『津下四郎左衛門』 青空文庫
作例 · 標準
その若き市長は、頻繁に商店街や町工場を視察し、下情に通じるよう努めている。
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側近たちが報告する都合の良い数字ばかりを見ていては、本当の下情を理解することなど到底できない。
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「なるほどね、上に立つ人間ほど、自分の足で歩いてしっかり下情に通じてなきゃダメなんだな」
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