偽花
ぎか
名詞
標準
pseudanthium
文例 · 用例
困りましたね」「言いすぎかも知れないけれど、君の言葉はひどくしどろもどろの感じです。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
五日すぎから、腰の右方に腫物ができて、粗末にしてゐたら次第にそれが成長し、十五日までは酒を呑んだりして不安の氣持をごまかしてゐましたが、たうとう十六日からは、寢たつきりになつてしまひました。
— 太宰治 『知らない人』 青空文庫
昼過ぎから猛烈な吹雪が襲って来たので、捲上の人夫や、捨場の人夫や、バラス取り、砂揚げの連中は「五分」で上ってしまった。
— 葉山嘉樹 『坑夫の子』 青空文庫
願ぎかくるは伯母のまにまにである。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
生れてこんなこと始めてだ」「麦とろの食べ過ぎかね」老妓は柚木がよく近所の麦飯ととろろを看板にしている店から、それを取寄せて食べるのを知っているものだから、こうまぜっかえしたが、すぐ真面目になり「そんなときは、何でもいいから苦労の種を見付けるんだね。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
作者はそのとき偶然老妓が以前、和歌の指導の礼に作者に拵えてくれた中庭の池の噴水を眺める縁側で食後の涼を納れていたので、そこで取次ぎから詠草を受取って、池の水音を聴きながら、非常な好奇心をもって久しぶりの老妓の詠草を調べてみた。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
まだこの世の人でないとはどうしても思われないから、燈明を上げるだけは今夜の十二時過ぎからにしてといった。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
定めし私に云われたことが無念でたまらなかったからでしょう」 民子はここで私はそうでありませんと泣声でいうたけれど、母は耳にもかけずに、「なるほど私の小言も少し云い過ぎかも知れないが、民子だって何もそれほど口惜しがってくれなくてもよさそうなものじゃないか。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫