妾宅
しょうたく
名詞
標準
house in which a mistress is kept
文例 · 用例
代議士の妾宅であつたその家は、却々立派であつたので、私は『結構なお住ひです』なぞと、柄にもないことを云つて、又あらたな後悔をするのであつた。
— 中原中也 『亡弟』 青空文庫
それこそ、鳴く虫か小鳥のように、どれだけ今戸のあたり姉の妾宅の居周囲を、あこがれて※徊ったろう、……人目を忍び、世間を兼ねる情婦ででも有るように。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
その突当りの、柳の樹に、軒燈の掛った見晴のいい誰かの妾宅の貸間に居た、露の垂れそうな綺麗なのが……ここに緋縮緬の女が似たと思う、そのお千さんである。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
妾宅では、前の晩、宵に一度、てんどんのお誂え、夜中一時頃に蕎麦の出前が、芬と枕頭を匂って露路を入ったことを知っているので、行けば何かあるだろう……天気が可いとなお食べたい。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
空腹を抱いて、げっそりと落込むように、溝の減った裏長屋の格子戸を開けた処へ、突当りの妾宅の柳の下から、ぞろぞろと長閑そうに三人出た。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
行違いに、ぼんやりと、宗吉が妾宅へ入ると、食う物どころか、いきなり跡始末の掃除をさせられた。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
二人が、この妾宅の貸ぬしのお妾――が、もういい加減な中婆さん――と兼帯に使う、次の室へ立った間に、宗吉が、ひょろひょろして、時々浅ましく下腹をぐっと泣かせながら、とにかく、きれいに掃出すと、「御苦労々々。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
……もっとも甘谷も、つい十日ばかり前までは、宗吉と同じ長屋に貸蒲団の一ツ夜着で、芋虫ごろごろしていた処――事業の運動に外出がちの熊沢旦那が、お千さんの見張兼番人かたがた妾宅の方へ引取って置くのであるから、日蔭ものでもお千は御主人。
— 泉鏡花 『売色鴨南蛮』 青空文庫
作例 · 標準
彼は、人知れず妾宅を設けて、女性を囲っていたという噂がある。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
その小説は、江戸時代の男性が妾宅で送る隠遁生活を描いている。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
浮気相手の妾宅に現れた妻に、彼は顔面蒼白になった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite