非望
ひぼう
名詞
標準
inordinate ambition
文例 · 用例
文芸冊子「非望」第六号所載、出方名英光の「空吹く風」は、見どころある作品なり。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
いま、私の寝ている籐椅子のすぐちかくに坐って、かたわらの机に軽くよりかかり「非望」という文芸冊子を、あちこち覗き読みしているこのお隣りの娘について少しだけ書く。
— 太宰治 『めくら草紙』 青空文庫
竟に非望の遂げられないことを悟つた紀昌の心に、成功したならば決して生じなかつたに違ひない道義的慚愧の念が、此の時忽焉として湧起つた。
— 中島敦 『名人傳』 青空文庫
ついに非望の遂げられないことを悟った紀昌の心に、成功したならば決して生じなかったに違いない道義的|慚愧の念が、この時|忽焉として湧起った。
— 中島敦 『名人伝』 青空文庫
そのお礼にわたしは非望を捨て、わたしを捨てゝおまえの幸福ばかりを計るおじさんに還ろう。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
道鏡は、称徳天皇の御信頼に依つて太政大臣禅師よりすゝんで法王の位を授けられ、遂に皇位に対して、非望を懐いたと云はれる。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
」 と神託を受け、奏上したことは、当時儒教思想や仏教思想の伝来に依つて、多少の影響を受けてゐたかとも想像される、わが国体観念の確立に対する一大声明であつて、爾後非望の輩が、長く根絶するに至つたことは、誠に欣ばしいことである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
彼等には幸にも非望を懷くものはありません。
— 長塚節 『白瓜と青瓜』 青空文庫
作例 · 標準
若き日の彼は、非望を抱き故郷を飛び出した。
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その経営者は、非望に駆られて無謀な投資を繰り返し、会社を破綻させた。
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彼の非望は、周囲からは理解されがたいものだったが、彼自身は揺るがなかった。
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