恩義
おんぎ
名詞頻度ランク #40357 · 青空 284 例
標準
obligation
文例 · 用例
牧師がヂックのために恩義でもある人ですか。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
昔はちょいとした恩義に感じて田舎の御家来が、生命までも棄てたものさ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
恩義を棄て、名を棄て、自分の法事のお菓子を喰べられる若先生――それを甥だと偽って吾が家に封じこめて女中同様にコキ使っているらしい鶴原子爵未亡人……そうしてあの美しい化粧室、あの薄気味のわるい病室、皮革の鞭、「あやかしの鼓」――何という謎のような世界であろう。
— 夢野久作 『あやかしの鼓』 青空文庫
しかし、すべてを過去の罪障のなす業と諦めた病主人は、罪障消滅のためにも、一つは永年の恩義に酬ゆるため、妻を失ってしばらく鰥暮しでいた鼈四郎の父へ、せめて身の周りの世話でもさせたいと、娘を父の寺へ上せて身罷ったという。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
伝兵衛はこの恩義を思|候て、切腹いたし候。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書』 青空文庫
すると袁氏は既にそれを悟って、「郎君はもと貧しかったのを、私が憐んで夫婦となり、交情も日ましに厚くなっているにかかわらず、その恩義をわすれて、私を棄てようとするのは、人の道にはずれたしうちだ」 と言って泣いた。
— 田中貢太郎 『碧玉の環飾』 青空文庫
「先代孔叔文子(圉)の恩義に感ずる者共は火を取って台を焼け。
— 中島敦 『弟子』 青空文庫
つまり天下の政治を云為する結社が区々たる知事|風情の恩義を蒙るなぞいう事は面白くないという気持であったらしいが、対岸の福岡市では時ならぬ海上の炬火を望んで相当騒いだらしい。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫