恩返し
おんがえし
名詞動詞-サ変動詞-自動詞頻度ランク #19083 · 青空 225 例
標準
paying back a favour
文例 · 用例
伯父への御恩返しも、こんな私の我儘のために、かえってマイナスになったようでしたが、もはや、私には精魂こめて働く気などは少しもなく、その翌る日には、ひどく朝寝坊をして、そうしてぼんやり私の受持の窓口に坐り、あくびばかりして、たいていの仕事は、隣りの女の局員にまかせきりにしていました。
— 太宰治 『トカトントン』 青空文庫
――近常さんのおもいでは、せめて一生に一度――お国のため、とまで言って下すった、県庁の課長さんへの義理、中絶はしても、資本を出した人への恩返し。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
珠は掴む、酒の上じゃ、はじめはただ、御恩返しじゃの、お名前を聞きたいの、ただ一目お顔の、とこだわりましけ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
お前はんもあの人の世話でどうやら一人前の芸者になったんだから、こういう時に何とか恩返しをしたらどうです。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
掏摸の野郎と顔をならべて、似而非道学者の坂田なんぞを見返そうと云った江戸児のお嬢さんに、一式の恩返し、二ツあっても上げたい命を、一ツ棄てるのは安価いものよ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
僕は、きっと御恩返しをしてやるよ。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
(忰、まあ、)と父親が寄ろうとしますと、変な声を出して、 寄らっしゃるな、しばらく人間とは交らぬ、と払い退けるようにしてそれから一式の恩返しだといって、その時、饅頭の餡の製し方を教えて、屋根からまた行方が解らなくなったと申しますが、それからはその島屋の饅頭といって街道名代の名物でございます。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
誰のお庇だ、これも兄者人の御守護のせい何ぞ恩返しを、と神様あつかい、伏拝みましてね、」 と婆さんは掌を合せて見せ、「一年、やっぱりその五月雨の晩に破風から鼻を出した処で、(何ぞお望のものを)と申上げますと、(ただ据えておけば可い、女房を一人、)とそういったそうでございます。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫