痛痒
つうよう
名詞
標準
pain and itching
文例 · 用例
この時船中の食堂で卓を囲んで皿の肉をつついている人には船が進んでいようがいまいが何の痛痒も感ぜぬ、船が動けば皿の肉もそれを食っている自分自身もやはり一緒に動いて行くからだ。
— 寺田寅彦 『宇宙の二大星流』 青空文庫
自分を自分から離して、冷やかに眺めて捌き、深く自省に喰い入る痛痒い錐揉みのような火の働き、その火の働きの尖は、物恋うるほど内へ内へと執拗く焼き入れて行き、絶望と希望とが膜一重となっている胸の底に触れたと思ったとき、自分はまた裂けた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
膝がしらがちくちく痛痒い。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
摺った揉んだの挙句が、小春さんはまた褄を取っているだがね、一度女房にした女が、客商売で出るもんだで、夜がふけてでも見なさいよ、いらいらして、逆気上って、痛痒い処を引掻いたくらいでは埒あかねえで、田にしも隠元豆も地だんだを蹈んで喰噛るだよ。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
諸君子は已を得ず年にちなんで、鶏の事を書いたり、犬の事を書いたりするが、これは寧ろ駄洒落を引き延ばした位のもので、要するに元日及び新年の実質とは痛痒相冒す所なき閑事業である。
— 夏目漱石 『元日』 青空文庫
笑ひ度いやうな痛痒い鈍痛だけがかすかに残る。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
個人が自己の體躯以外には痛痒を感ずることなきの故を以て社會を冷視したならば、社會は其の人の爲に恐るべき害を被らう。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
不幸は不幸なりと雖ども、既に現世を超越せる者に取りては畢竟何の痛痒をも感ずる者にあらざる也。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
作例 · 標準
皮膚の痛痒がひどくて、夜も眠れない。
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虫刺されで腕に痛痒を感じる。
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その薬を塗ったら、痛痒が和らいだ。
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標準
mental anguish
作例 · 標準
彼の心には、過去の失敗の痛痒が残っていた。
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他人の批判など、彼は痛痒とも感じない。
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その出来事は、彼に深い痛痒を与えた。
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