窮余
きゅうよ
名詞
標準
extremity
文例 · 用例
けれども君を、このままむなしく帰らせるのも心苦しくて、謂わば、窮余の一策として、こんな貧弱なアルバムを持ち出したというわけだ。
— 太宰治 『小さいアルバム』 青空文庫
あわれな窮余の一策である。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
この時にあたり、私は窮余の一策として、かの安宅の関の故智を思い浮べたのである。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
もともとこの狸は、何の罪とがも無く、山でのんびり遊んでゐたのを、爺さんに捕へられ、さうして狸汁にされるといふ絶望的な運命に到達し、それでも何とかして一条の血路を切りひらきたく、もがき苦しみ、窮余の策として婆さんを欺き、九死に一生を得たのである。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
そう考えるより他は無いと、私は窮余の断案を下して落ち附こうとしたが、やはり、どうにも浮かぬ気持ちであった。
— 太宰治 『佐渡』 青空文庫
「河岸の事務室を開けて、貸室に致しましたのも窮余の策で、実は、この娘に結婚させようという若い店員がございますのですが、どうも、その男の気心がよく見定まりません。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
けれども、これこそは窮余の一策だ。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
なんにもないので、私の窮余の一策なんですよ」と、私は、ありのまま事実を、言ったつもりなのに、今井田さん御夫婦は、窮余の一策とは、うまいことをおっしゃる、と手を拍たんばかりに笑い興じるのである。
— 太宰治 『女生徒』 青空文庫
作例 · 標準
締め切り直前にパソコンが壊れ、窮余の策として手書きの原稿を直接編集部に持参した。
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資金繰りに行き詰まった経営者は、窮余の一策として私財をすべて投げ打つ決断をした。
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相手の鋭い質問に対し、彼は窮余の嘘をついてその場を強引にしのいだ。
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