衒い
てらい
名詞
標準
affectation
文例 · 用例
しかし、派手の特色たるきらびやかな衒いは「いき」のもつ「諦め」と相容れない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
尋常一様|詩詞の人の、綺麗自ら喜び、藻絵自ら衒い、而して其の本旨正道を逸し邪路に趨るを忘るゝが如きは、希直の断じて取らざるところなり。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
ろくな仕事もしていない癖に、その生活に於いて孤高を装い、卑屈に拗ねて安易に絶望と虚無を口にして、ひたすら魅力ある風格を衒い、ひとを笑わせ自分もでれでれ甘えて恐悦がっているような詩人を、自分は、底知れぬほど軽蔑しています。
— 太宰治 『風の便り』 青空文庫
ウィルスンがたとい何者であろうとも、少なくともこのことは、実に衒いの、あるいは愚の最たるものにすぎなかった。
— WILLIAM WILSON 『ウィリアム・ウィルスン』 青空文庫
それは、工場に通う女工のような者の中の幾部分や、小僧の幾部分かは、互の遊戯的気分から、わざわざ人中で靴の紐を結ばせ、結ぶような衒いをしますでしょう。
— 宮本百合子 『男女交際より家庭生活へ』 青空文庫
浅薄な表面の装飾や衒いでなく、全人格を挙げて立派に装飾し、それを女子の誇とするように力めねばなりません。
— 与謝野晶子 『離婚について』 青空文庫
もしこれが知っておりながら、少しく奇人を衒い、英雄を真似たとすれば、無礼の誹をまぬかれぬが、自分の心得の最善を尽している以上は、行儀作法に多少の欠点ありとするも、人はこれを宥すものである。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
それは天性|英雄豪傑ならぬものが、英雄豪傑を気取り、傍若無人を衒い、なに彼奴らがという態度を持することは、あるいはこの方法で成功するものもあるか知らぬが、自分にははなはだ愚かなる方法であると思った。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
作例 · 標準
彼の文章には衒いがなく、素朴ながらも読む者の心に深く染み入る力がある。
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彼女は衒いのない笑顔で客を迎え、その自然体な接客が多くの常連客を生んでいる。
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知識を鼻にかけるような衒いを捨てたとき、初めて他人と真の信頼関係を築くことができた。
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