脂肉
あぶらにく
名詞
標準
fat (of meat)
文例 · 用例
何代か封建制度の下に凝り固めた情熱を、明治、大正になつてまだ点火されず、若し点火されたら恨みの色を帯びた妖艶な焔となつて燃えさうな、全部白臘で作つたやうな脂肉のいろ光沢だつた。
— 岡本かの子 『過去世』 青空文庫
男と同じほどの背丈があり、それに豊かな白い脂肉が盛りついてゐる自分を崩折れさすわけにはゆかないと、気持が立ち直つて来る。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
仁輪加なんか無論わかりそうにないノッソリした奴が多いのであるが、その中でも代表的と見える色の黒い、逞ましそうな奴が、骰子の目に切った生鰤の脂肉の生姜醤油に漬けた奴を、山盛にした小丼を大切そうに片手に持って、「ええ。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
どたどたと騒がしゅう振舞って何者じゃ」 四十がらみの、ずんぐりとした好き者らしい脂肉を褥の上からねじ向けて、その主計頭がいとも横柄に構えながら、二万四千石ここにありと言いたげに脇息もろ共ふり返ったのを、ずいとさしつけたのはあの三日月形です。
— 幽霊を買った退屈男 『旗本退屈男 第十話』 青空文庫
その時、入口からひょっこり姿を現わしたのは理髪師のイワン・ヤーコウレヴィッチであったが、その動作はたった今、脂肉を盗んで殴ちのめされた猫みたいに、おどおどしていた。
— ニコライ・ゴーゴリ 『鼻』 青空文庫
かんてきにかけた鋤鍋へ、平七が巧みな手つきで黄色い脂肉を入れて、熔けたところへ砂糖を加へ、紫を注すと、ジユウツといふ音とともに、湯氣がむら/\と舞ひ騰り、黒ずんだ天井の眞ん中に貼つてある大神宮の劍先|神符が、白雲に蔽はれた山寺の塔のやうに、暫く見えなくなつた。
— 上司小劍 『父の婚禮』 青空文庫
焼豚の脂肉―― 鶏の丸焼もあるが、ヤカンを下げた連中は値をきくだけで通りすぎちまう。
— 宮本百合子 『ズラかった信吉』 青空文庫
鯉や豚の脂肉や鶏の臓物など、見ただけでもむかむかするようなものを、荒噛みでのみこみ、そしてやたらに杯をあけます。
— 豊島与志雄 『食慾』 青空文庫
作例 · 標準
脂肉について考える必要があります。
この脂肉は非常に重要です。
脂肉の意味を理解することが大切です。
多くの人が脂肉について知っています。