悪闘
あくとう
名詞
標準
difficult battle
文例 · 用例
張玉も亦王を救わんとし、王の已に出でたるを知らず、庸の陣に突入し、縦横奮撃し、遂に悪闘して死す。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
Yはタバコ畑の中を縦横に駆け廻つて、木兎を追ひまくつたが、益々クシヤミにたゝられて、ハナは出る、涙は出る、顔も何も滅茶苦茶に泥によごれて、眼も見えず、しまひには鳥と間違へてナスやマクハウリをつかんでしまふほどの悪闘を演じてしまつたといふことだつた。
— 牧野信一 『ブロンズまで』 青空文庫
それを一々かぞえたら随分批難すべき点も多いらしいが、ともかくも江湖流落のボロ書生が烏合未熟の一座を率いて、殆んど東西をわきまえない東京のまん中へ打って出て、苦戦悪闘、わずかに三年、五年のあいだにその地盤をふみ固めたのは、たしかに一個の勇者と言わなければならない。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
僕見た様に局部に当つて、現実と悪闘してゐるものは、そんな事を考へる余地がない。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
「こんな事をしちゃいられない」 お島は註文を聞きに廻るべき顧客先のあることに気づくと、寝床を跳おきて、身じまいに取かかろうとしたが、男は悪闘に疲れたものか何ぞのように、裁板の前に薄ぼんやりした顔をして、夢幻のような目を目眩しい日光に瞑っていた。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
殊に「日々文芸」と縁の深い文壇の諸君子には、諸君子と同じく芸術の為に、焦慮し、悪闘し、絶望し、最後に一新生面を打開し得た、その尊敬すべきコンフレエルの事業に、一層の留意を請ひたいと思ふ。
— 芥川龍之介 『龍村平蔵氏の芸術』 青空文庫
そうして、ようやく最後の一節を読み終ると、再び元のような悠然たる態度で、自分たちの敬礼に答えながら、今までの惨澹たる悪闘も全然忘れてしまったように、落ち着き払って出て行ってしまった。
— 芥川龍之介 『毛利先生』 青空文庫
彼はそれでも死力を尽して、両手に岩を支えながら、最後まで悪闘を続けようとしたが、岩は依然として運命のごとく下って来た。
— 芥川龍之介 『素戔嗚尊』 青空文庫
作例 · 標準
例文1
例文3
例文5
例文7