細い糸
ほそいいと
表現名詞
標準
fine thread
文例 · 用例
子供の時分に蜻蛉を捕るのに、細い糸の両端に豌豆大の小石を結び、それをひょいと空中へ投げ上げると、蜻蛉はその小石を多分|餌だと思って追っかけて来る。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
その一つによると旋風のようなものが襲来して、その際に「馬のたてがみが一筋一筋に立って、そのたてがみの中に細い糸のようなあかい光がさし込む」と馬はまもなく死ぬ、そのとき、もし「すぐと刀を抜いて馬の行く手を切り払う」と、その風がそれて行って馬を襲わないというのである。
— 寺田寅彦 『怪異考』 青空文庫
諒安は自分のからだから少しの汗の匂いが細い糸のようになって霧の中へ騰って行くのを思いました。
— 宮澤賢治 『マグノリアの木』 青空文庫
ちやうど眼に見えないほど細い糸で、しみじみと降る春雨のやうに。
— 新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 青空文庫
……蓮根をぽきんと二つに折ると、蜘蛛の糸よりまだ細い糸が出まつしやろ。
— 織田作之助 『聴雨』 青空文庫
その細い糸の上に人間が立つてるちふやうな将棋にならんとあきまへん。
— 織田作之助 『聴雨』 青空文庫
力がみな身体から抜け出して駒に吸ひこまれてしまふちふと、細い糸の上にも立てます――さういふ将棋でないとほんたうの将棋とは言へまへん。
— 織田作之助 『聴雨』 青空文庫
子供の時分にとんぼを捕るのに、細い糸の両端に豌豆大の小石を結び、それをひょいと空中へ投げ上げると、とんぼはその小石をたぶん餌だと思って追っかけて来る。
— 寺田寅彦 『からすうりの花と蛾』 青空文庫
作例 · 標準
軒下で蜘蛛が目にも止まらぬ速さで細い糸を操り、幾何学的な模様の巣を完成させていた。
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このニットは最高級カシミアの細い糸を贅沢に使用しており、驚くほど柔らかい手触りだ。
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偶然の出会いから始まった二人の間には、運命という名の細い糸が結ばれていたのかもしれない。
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