梵妻
ぼんさい
名詞
標準
Buddhist priest's wife
文例 · 用例
それをやがて起きて来た梵妻や寺男が介抱をしてやると、やっと正気づいたので、手足の泥を洗わせて方丈へ連れ込んだのであったが、熱い湯を飲ませて落ちつかせながら、詳しく事情を聞き取るうちに、和尚はニヤリニヤリと笑い出して、何度も何度も首肯いた。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
学校を卒業してごろごろしている時、友人の紹介で梵妻あがりで小金を溜めていたその女の許へ金を借りに出入して関係しているうちに、女の田舎のもので女学校へ往っていた今の細君と知りあいになっていっしょになったものであった。
— 田中貢太郎 『一握の髪の毛』 青空文庫
すると奥から衣摺れの音がして三十格好の梵妻らしい粋な女が出て来た。
— 若杉鳥子 『棄てる金』 青空文庫
彼は絵札を出す時には、片手でトンとテーブルを叩いて、それがクイーンなら『さあ行け、老耄れの梵妻め!
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫
この大きなガタ馬車は、通りから通りへと何度も曲った挙句、最後に、新田のニコライ寺という、小さな末寺のわきの、暗い横町へ入ると、祭司長の梵妻の家の門前でとまった。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
ね、どうでしょう、けさね、宅へお梵妻さんがいらっしたのよ、あのお梵妻さん、祭司長のキリール神父の奥さんがですよ、それでどうしたとお思いになって?
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
」「まあ、あの人がお梵妻さんにいやらしいことでもしたと仰っしゃるの?
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
まあ、あのお梵妻さんがあたしに話したことを聴いて下さいよ。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫