梵刹
ぼんさつ異読 ぼんせつ
名詞
標準
temple
文例 · 用例
真直に一里半ばかり北へ上ると、俗に云う無間山こと倶利ヶ|岳の中腹に、無間山、井遷寺という梵刹がある。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
このゆえに自分はひとり天主閣にとどまらず松江の市内に散在する多くの神社と梵刹とを愛するとともに(ことに月照寺における松平家の廟所と天倫寺の禅院とは最も自分の興味をひいたものであった)新たな建築物の増加をもけっして忌憚しようとは思っていない。
— 芥川龍之介 『松江印象記』 青空文庫
千山は唐の時代に開いた梵刹で、今だに残っているのは、牛でもなければ豚でもない、ただ山と谷と巌と御寺と坊主だけであるから、農科の教授がわざわざ馬に乗って見物に行くべきところではけっしてない。
— 夏目漱石 『満韓ところどころ』 青空文庫
この東嶺寺と云うのは松平家の菩提所で、庚申山の麓にあって、私の宿とは一丁くらいしか隔っていない、すこぶる幽邃な梵刹です。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫