音調
おんちょう
名詞名詞-の形容詞
標準
tune
文例 · 用例
例えば鶯のあちこちとするや小家がち 蕪村春の海ひねもすのたりのたり哉 蕪村 の如く、「あちこちとするや」の語韻から、鶯のチョコチョコとする動作を音象し、「のたりのたり」の音調から春の海の悠々とした印象を現わしているのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
宇都野さんの歌の音調にはやはり自ずからな特徴がある。
— 寺田寅彦 『宇都野さんの歌』 青空文庫
滑稽に聞える音調を、老人は真面目な顔で喋っていた。
— 黒島傳治 『穴』 青空文庫
巡査は重々しき語気をもて、「はいではない、こんな処に寝ていちゃあいかん、疾く行け、なんという醜態だ」 と鋭き音調。
— 泉鏡花 『夜行巡査』 青空文庫
「あら、巡査さんが来ましたよ」 伯父なる人は顧みて角燈の影を認むるより、直ちに不快なる音調を帯び、「巡査がどうした、おまえなんだか、うれしそうだな」 と女の顔を瞻れる、一眼|盲いて片眼鋭し。
— 泉鏡花 『夜行巡査』 青空文庫
連想には上記のように内容から来るもののほかにまた単なる音調から来る連想あるいは共鳴といったような現象がしばしばある。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
数字と数字との連想も半ば内容的であるが半ばは音調的の口移りから呼び出されるらしい。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
それでもないト考えて七面鳥に思いあたった時、なまぬるい音調で、「馬鹿め。
— 泉鏡花 『化鳥』 青空文庫