幾許もない
いくばくもない
表現形容詞
標準
brief (amount of time)
文例 · 用例
実際もう私の余命は幾許もないのである。
— 幻の人力車 『世界怪談名作集』 青空文庫
二十四 晩方近くに、様子を探りかたがた、ここから幾許もない生家を見舞った姉は、養家の方からお島を尋ねに出向いて来た人達が、その時丁度奥で父親とその話をしているところを見て帰って来た。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
さりとて、余命|幾許もないこの病母が、もし落命したらばいったん葬式までも済ませた身の、いかに処置したらいいであろうか?
— 橘外男 『仁王門』 青空文庫
かの女は、時代をいつに置くとも判らない意識にするこの場所に暫く立ち停り、むす子のアトリエのあるモンパルナスの空を眺め乍ら、むす子を置いて日本へ去る親子の哀別の情を貫いて、もうあといくばくもない短い月日の流れの、倉皇として過ぎ行くけはいを感じるのであった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
今や、忍び寄りつつある不幸が、私のいくばくもない晩年を暗くし始めた。
— コナンドイル 『グロリア・スコット号』 青空文庫
『私の愛しい愛しい息子よ、忍び寄りつつある不名誉が、私のいくばくもない余命を暗くし始めた。
— THE "GLORIA SCOTT" 『グローリア・スコット号』 青空文庫
もう余命いくばくもない時になって、子に捨てられましたことが恨めしゅうございます」 一所懸命に悲しみをおさえながら言うことはこれであった。
— 葵 『源氏物語』 青空文庫
然るに不起の病に罹って、最早余命いくばくもないのを知りつつも少しも紊れないで、余り余裕のない懐ろから百何十円を支払って大辞典を買うというは知識に渇する心持の尋常でなかった事が想像される。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4