跡目相続
あとめそうぞく
名詞
標準
successorship
文例 · 用例
伊右衛門は手先が器用で大工が出来るので、それを云い立てにして御先手組頭|三宅弥次兵衛を経て跡目相続を望み出、その年の八月十四日に婚礼することになり、同心の株代としてお岩の家へ納める家代金十五両を持って又市に伴れられ、その日の夕方にお岩の家へ移って来た。
— 田中貢太郎 『四谷怪談』 青空文庫
上では弥一右衛門の遺骸を霊屋のかたわらに葬ることを許したのであるから、跡目相続の上にも強いて境界を立てずにおいて、殉死者一同と同じ扱いをしてよかったのである。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
かくて女王が勅定した月数が過ぎると「別れの風かよ、さて恨めしや、いつまた遇うやら遇わぬやら」で銘々男の住所姓名を書いて渡し、涙ながらに船は出て行く帆掛けて走る、さて情けの種を宿した場合に生まれた子が女なら島へ留めて跡目相続、男だったら父の在所へ送致する(ここギリシア伝説混入)」というが甚だ疑わしい。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
もっとも、彼は僕とおなじく文科の出身で、そういう家の伜だけに、ふだんから宗教についても相当の研究を積んでいたらしいから、まず故障なしに父の跡目相続が出来たのであろう。
— 岡本綺堂 『青蛙堂鬼談』 青空文庫
一面から云えば、まことに見え透いた機関ではあるが、組頭もその情を察して大抵はその養子に跡目相続を許可することになっている。
— 白蝶怪 『半七捕物帳』 青空文庫
学校も自分で建てた学校なら、お寺も御先祖が建てさっしゃったお寺で、跡目相続人の若旦那(呉一郎)は大幸福者で御座いますのに、思いがけない事が出来ましたもので……。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
殊に彼のような場合は、跡目相続の披露もしたことであろうから、おしも圧されもせぬ一家のあるじになっていた筈だ。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
次男の石松は勘当された長男同様ちかごろ酒と女に身をもちくずし、跡目相続をカタにして諸方に借金があるらしい様子。
— その二十 トンビ男 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
作例 · 標準
父は長年経営してきた会社を、いつか私に跡目相続させるつもりでいたようだ。
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大手企業の社長交代は、円滑な跡目相続が課題となっている。
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伝統工芸の分野では、師匠から弟子への跡目相続が技術継承の要となる。
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「うちの会社も、そろそろ跡目相続の話をしないといけない時期かな。」と父が呟いた。
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