非業の死
ひごうのし
表現名詞
標準
unnatural death
文例 · 用例
「悲しいから」と言うのを「悲しむべき事情が身辺に迫ったから」という意味に解釈する、たとえば自身に最も親しい者が非業の死をとげたからというふうに理解すると、それはたしかに泣くことの一つの条件にはなるが、それだけでは泣くための必要条件は決してそろわないのである。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
)と空笑いをやったとお思い、(非業の死とはいうけれど、根は身の行いでござりますのう。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
義父の非業の死のせいか、忌まわしい強制結婚のせいか、もはやルーシィはうつむいたままで、嘆き暮らすひと月のまにみるみる痩せ衰えていった。
— A STUDY IN SCARLET 『緋のエチュード』 青空文庫
父が非業の死を遂げたのが八五年の一月ですが、それから二年八ヶ月経ちました。
— THE FIVE ORANGE PIPS 『橙の種五粒』 青空文庫
八 信一郎は、差し出されたその時計を見たときに、その時計の胴にうすく残っている血痕を見たときに、弄ばれて非業の死方をした青年に対する義憤の情が、旺然として胸に湧いた。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
後には、当年三歳になる三郎兵衛の一子実之助が、父の非業の死も知らず、乳母の懐ろにすやすや眠っているばかりであった。
— 菊池寛 『恩讐の彼方に』 青空文庫
非業の死を遂げた、哀れな亡者じゃ。
— 菊池寛 『恩讐の彼方に』 青空文庫
非業の死だときいた時、剽賊のためにあやめられた旅人の死骸ではあるまいかと思うて、市九郎は過去の悪業を思い起して、刹那に湧く悔恨の心に、両脚の竦むのをおぼえた。
— 菊池寛 『恩讐の彼方に』 青空文庫
作例 · 標準
平和を愛した彼が、テロの犠牲となって非業の死を遂げるとは、あまりに不条理だ。
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海で消息を絶った航海士たちの非業の死を悼み、海岸には小さな慰霊碑が建てられた。
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非業の死を遂げた怨霊を鎮めるために建立されたというその神社には、独特の静寂が漂っている。
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