哀韻
あいいん
名詞
標準
sad tone (of music, words, etc.)
文例 · 用例
「おしょろ――たかしィま――(ア、スイ)およびはないが、よ――(ア、スイ/\)せめて――(スイ)うたすつ――(ア、スイ)いそやまでよ――(ア、スイ/\)」 その簡朴悠長にして、哀韻|嫋々、どこまでも續いて、どこまでも絶えず、細く、長く、悲しい響きを傳へる。
— 放浪 『泡鳴五部作』 青空文庫
言葉を換へて云へば、この世の中の家常茶飯に、極めて意味深い哀韻の詩を見出して、之を描き出す作家なのである。
— 「末枯」の作者 『貝殼追放』 青空文庫
併し底を流るる哀韻を見のがし得ないのはどうしてか。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
そうすれば豊潤で太い朗かな調べのうちに、同時に切実峻厳、且つ無限の哀韻を感得することが出来る。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
この哀韻は、「いさよふ波の行方知らず」にこもっていることを知るなら、上の句の形式的に過ぎない序詞は、却って下の句の効果を助長せしめたと解釈することも出来るのである。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
この限り無き哀韻は、幾度も吟誦してはじめて心に伝わり来るもので、平俗な理論で始末すべきものではない。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
この哀韻は、近江旧都を過ぎた心境の余波だろうとも説かれている。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
なおこの哀韻は支那文学の影響、或は仏教観相の影響だろうとも云われている。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
作例 · 標準
彼の奏でるバイオリンからは、聴く者の心を締め付けるような哀韻が響いていた。
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物語の終盤、主人公のモノローグには、抑えきれない哀韻が滲んでいた。
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彼女が静かに語る言葉の端々には、深い悲しみの哀韻が感じられた。
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冬の海に打ち寄せる波の音には、寄せては返す哀韻がある。
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