御衣
ぎょい
名詞
標準
imperial garments
文例 · 用例
」藁屑を掻寄せて一処に集め、「せめてこの上へ、貴女、御衣服が台無しでや。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
」と家令を先に敷居越し、恐る恐る襖を開きて、御容顔を見奉れば、徹夜の御目落窪みて、御衣服は泥まぶれ、激しき御怒の気色|顕れたり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
しかも御衣勝の着痩はしたが、玉の膚豊かにして、汗は紅の露となろう、宜なる哉、楊家の女、牛込南町における河野家の学問所、桐楊塾の楊の字は、菅子あって、択ばれたものかも知れぬ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
妃は髪黒く丈低く、褐いろの御衣あまり見映せぬかはりには、声音いとやさしく、「おん身は仏蘭西の役に功ありしそれがしが族なりや、」など懇にものし玉へば、いづれも嬉しとおもふなるべし。
— 森鴎外 『文づかひ』 青空文庫
妃は髪黒く丈低く、褐いろの御衣あまり見映えせぬかわりには、声音いとやさしく、「おん身はフランスの役に功ありしそれがしが族なりや」などねもごろにものしたまえば、いずれも嬉しとおもうなるべし。
— 森鴎外 『文づかい』 青空文庫
御衣織女鬼怒沼比賣が。
— 長塚節 『長塚節歌集 上』 青空文庫
御衣も御くしも悉く、黄金の光眼を射る。
— 長塚節 『長塚節歌集 中』 青空文庫
然し、恐※して破身の際一身より冷汗を出すは、牡丹奇縁の記事にもあり、源語源氏が紫の上と新枕の條にも「思ひの外に心うくこそおはしけれな、人もいかに怪しと思ふらんとて、御衣を引やり給へば、汗に押浸して額髮もいたうぬれ給へり」と有ば、汗とみる方宜しからうと思ふ。
— 南方熊楠 『蓮の花開く音を聽く事』 青空文庫