春寒
しゅんかん
名詞
標準
cold weather in early spring
文例 · 用例
そして今でもこの曲を聞くと、蒲団の外に出して書物をささえた私の指先に、しみじみしみ込むようであった春寒をも思い出すのである。
— 寺田寅彦 『春寒』 青空文庫
それを逃れたとしても必然に襲うて来る春寒の脅威は避け難いだろう。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
古い大木となって、幹が朽ち苔が生えて枯れたように見えていても、春寒の時からまだまだ生きている姿を見せて花を咲かせる。
— 黒島傳治 『短命長命』 青空文庫
化物丁場すなどりびとのかたちして、 つるはしふるふ山かげの、化物丁場しみじみと、 水湧きいでて春寒き。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
淺草田原町の裏長屋に轉がつて居た時、春寒い頃……足袋がない。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
その天麩羅屋の、しかも蛤鍋三錢と云ふのを狙つて、小栗、柳川、徳田、私……宙外君が加はつて、大擧して押上つた、春寒の午後である。
— 泉鏡太郎 『春着』 青空文庫
――以前、牛込の矢來の奧に居た頃は、彼處等も高臺で、蛙が鳴いても、たまに一つ二つに過ぎないのが、もの足りなくつて、御苦勞千萬、向島の三めぐりあたり、小梅の朧月と言ふのを、懷中ばかり春寒く痩腕を組みながら、それでものんきに歩いた事もあつたつけ。
— 泉鏡太郎 『番茶話』 青空文庫
三月 淺蜊やア淺蜊の剥身――高臺の屋敷町に春寒き午後、園生に一人庭下駄を爪立つまで、手を空ざまなる美き女あり。
— 泉鏡太郎 『婦人十一題』 青空文庫
作例 · 標準
春寒の折、皆様いかがお過ごしでしょうか。
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日中は暖かいが、夜になると春寒が身に染みる。
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春寒をしのぐために、まだ手放せないストールを巻く。
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