代赭
たいしゃ
名詞
標準
red ocher (ochre)
文例 · 用例
彩色と云っても絵具は雌黄に藍墨に代赭くらいよりしかなかったが、いつか伯父が東京博覧会の土産に水彩絵具を買って来てくれた時は、嬉しくて幾晩も枕元へ置いて寝て、目が覚めるや否や大急ぎで蓋をあけて、しばしば絵具を検査した。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
代赭色を帯びた円い山の背を、白いただ一筋の道が頂上へ向って延びている。
— 寺田寅彦 『浅間山麓より』 青空文庫
代赭色の小鉢に盛り上がった水苔から、青竹箆のような厚い幅のある葉が数葉、対称的に左右に広がって、そのまん中に一輪の花がややうなだれて立っている。
— 寺田寅彦 『病室の花』 青空文庫
山々の中腹以下は黄色に代赭をくま取った雲霧に隠れて見えない。
— 寺田寅彦 『三斜晶系』 青空文庫
水色ちりめんのごりごりした地へもって来て、中身の肉体を圧倒するほど沢瀉とかんぜ水が墨と代赭の二色で屈強に描かれている。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
裏打をした宣紙に臙脂・代赭・藍・浅緑・黒など、太い縞細い縞を定規で引きまた染めると、其堺目が程好くにじんで好看を呈したが、之を板木に彫ると境界が鋭く硬くなり、且つエオジン、インヂコの絵具では日本絵具の生臙脂・藍で画いたやうな色調にはならなかつた。
— 木下杢太郎 『本の装釘』 青空文庫
而して又一方には此種の羅曼底と結合して、變り易き天候に支配せらるる其日其日の生活が著しく彼等を現世的にし、而して冬も尚鮮かなる雜木山の代赭、海の緑、橘の實の黄色――是等の自然の色彩が彼等の心、服裝、實用的工藝品にけばけばしい原始的の grotesque を賦與する。
— 木下杢太郎 『海郷風物記』 青空文庫
代赭の色の、はた白に浅葱の縞模様、特産の鳴海綾は並び立つ太物屋の軒に吊り下つてゐる。
— 木下杢太郎 『市街を散歩する人の心持』 青空文庫
作例 · 標準
古代の壁画には、代赭のような赤い顔料が使われていた。
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代赭色の土は、独特の風合いを持っている。
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その染料は、代赭のような鮮やかな赤色をしていた。
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