幽然
ゆうぜん
形容詞-たる副詞-と
標準
quiet and secluded
文例 · 用例
葉も実もすつかりおとしてしまつた木のゆうぜんたるすがたはよいかな、うらやましいかな。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
十九ばかりの品のあるお嬢さんが、しっとり寂しいほど、着痩せのした、縞お召に、ゆうぜんの襲着して、藍地糸錦の丸帯。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
と、緋羽の蹴込敷へ褄はずれ美しく、ゆうぜんの模様にない、雪なす山茶花がちらりと上へかくれた。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
」 紅入ゆうぜんの裳も蹴開くばかり、包ましい腰の色気も投棄てに……風はその背後から煽っている……吹靡く袖で抱込むように、前途から飛着いた状なる女性があった。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
池の端となって見たがいい、時を得顔の梅柳が、行ったり来たり緋縮緬に、ゆうぜんに、白いものをちらちらと、人を悩す朝である。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
女房がまた、背筋や袖をしなり、くなり、自由に揉まれながら、どうだい頬辺と膝へ、道士、逸人の面を附着けたままで、口絵の色っぽい処を見せる、ゆうぜんが溢出るなぞは、地獄変相、極楽、いや天国変態の図だ。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
だのに、すこぶる不思議、ふたりの太刀持ち露払いが姿を見せた以上は、当然そのあとに名人右門が、あの秀麗かぎりない面にゆうぜんとあごをなでなで立ち現われるだろうと思われたのに、どうしたことかその姿がないのです。
— へび使い小町 『右門捕物帖』 青空文庫
しかし、面を向けるには向けても、いっこう気がなさそうに、ゆうぜんとあごの先をなでさすったままでしたから、あいきょう者がたちまちガンガンとやりだしたのは当然でした。
— へび使い小町 『右門捕物帖』 青空文庫
作例 · 標準
庭の奥にある小さな祠は、幽然とした雰囲気をたたえている。
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古びた書斎は、いつも幽然としていて、物思いにふけるのに最適だった。
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深山の奥にある滝は、幽然と流れ落ち、訪れる者を魅了した。
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