幻辞.com

幾重

いくえ
名詞
1
標準
piling up
文例 · 用例
人垣は急に崩れて、大風に偃す野草の如く、芳の通路を拓けども、何分多人數であるから、幾重にも犇犇と垣あり。
萩原朔太郎 二十三夜 青空文庫
幾重の雲の中から、名の知れない山の顔が……肩から肩へと、腮を載せて、私を冷やかに見ている。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
西風に吹きつけられた水蒸気が、山の胴体を幾重にも巻いて、凝結しているのだと思う。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
初冬の山と幾分か軽く視て、雪中の登山服装というほどの準備もしていなかったため、幾重の衣も徹されて、腹から股にかけ、薊で撫で廻されるような疼痛を感じ初めた、唇はピリッとして、亀裂するかと惑われ、その寒さにわなわなと骨髄から震動した。
小島烏水 雪中富士登山記 青空文庫
光ったり陰ったり、幾重にも畳む丘々の向うに、北上の野原が夢のように碧くまばゆく湛えています。
宮沢賢治 種山ヶ原 青空文庫
西部のパノフォラム・ロードに虹が浮いて、香港は動乱の巷を他所に見て、植民地兵の配列のなかで、幾重にも市街を取巻いた軍用道路の設置と、無線電信台に集中される軍国主義の機密と、今日の支那に関する利権が活動を始めた。
吉行エイスケ 地図に出てくる男女 青空文庫
昔は花火の筒と云えば、木筒に竹のたがを幾重となく鉢巻きしたのを使ったものだが、さすがに今ではもうそんなものは使わないと見える。
寺田寅彦 雑記(2) 青空文庫
彼女は畳に額をうずめて、恐れかしこんでわが子の罪を幾重にも詫びた。
女行者 半七捕物帳 青空文庫
作例 · 標準
幾重にも重なる積乱雲の層が、遠くの山並みを黒く覆い隠していた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
その小説は、登場人物の繊細な心理描写が幾重にも重なり合い、読者の心を深く揺さぶる感動的な物語である。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
彼の言葉には、表面的な意味だけでなく、幾重にも隠された複雑な意図が感じ取れた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
クレープ生地は、薄く何枚も焼いて幾重にも重ねることで、しっとりとした独特の食感を生み出す。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite